「いい車を作ろうよ」―豊田章男社長の口癖であるこの言葉には、製造業の原点がある。 実際に、豊田社長の真後ろで公聴会を傍聴していた筆者は、豊田社長の答弁に不快感を示す議員や、苛立ちを隠そうとしない議員を目の当たりにした。どうしてこのようなギャップが日米で生じてしまったのだろうか? トヨタ大規模リコール問題を、米国のバッシングや陰謀説として片づけるレベルであってはならない。 日本人が同文化並びに異文化環境において、円滑なコミュニケーションをとっていくための知識やスキルはなにか。同文化、異文化を問わず応用が可能で、例えば、プレゼンテーション、会議、演説、説得、交渉、ディベート、政府や企業のPR、選挙運動などの結果を左右する効果を持つ、「核となるメッセージ」の創造と浸透戦略とは―。
第1章 トヨタ公聴会と並び屋 第2章 ハンスとの衝突 第3章 豊田社長VS.タウンズ委員長 第4章 トヨタ公聴会に対する議会側の反応 第5章 効果的なコミュニケーション戦略 附章 トヨタとオバマはどこがどう似ているのか
明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント研究所客員研究員(08〜10)。 全てのトヨタ公聴会を傍聴。10年米中間選挙において、ジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)の草の根運動に参加。同時に、オバマ大統領の草の根運動の本部「オーガナイジング・フォー・アメリカ(OFA)」でボランティアとして活動。08年米大統領選挙では、激戦州バージニア州でオバマ草の根運動員として、戸別訪問を実施。専門は、異文化間コミュニケーション論、異文化ビジネス論、産業・組織心理学。
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