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企業不祥事と奇跡の信頼回復
※品切れ中

消費者庁設置と消費者重視の経営を目指して

著者名 梁瀬和男 著
判型 四六/並製
頁数 272
定価 1,980円
(本体1,800円+税)
ISBN 9784496046230

→この本の内容

企業はついうっかり不祥事を起こし、マスコミの集中砲火を浴びて予想もしなかった社会的制裁を受けることがある。長年にわたって培ってきたブランド価値、自社に対する信頼が一瞬にして崩壊することもある。不祥事を起こした企業を非難することは簡単である。しかし、そのような企業が失意の底から立ち上がり、崩れたブランドをどのようにして再構築していくか、失墜した信頼をどのようにして復活再生していくか、その事例を紹介した。企業のトラブル防止のための一冊。

→この本の目次

第1章 消費者庁、消費者委員会設置と消費者重視経営 
 序 消費者(団体)の半世紀にわたる長年の夢が実現
 1 消費者行政の司令塔「消費者庁」
 2 企業が注目すべき「消費者委員会」
 3 消費者庁が所管する法律(31種類)
 4 消費者庁&消費者委員会の今後の課題
 5 「お客様第一主義」一辺倒からの脱却――消費者重視経営
第2章不当表示とリカバリーショット
 1 不当表示とは何か
 2 エステー化学(現エステー)
    ――冷蔵庫用脱臭炭のパッケージ表示
 3 ソフトバンクモバイル
    ――携帯電話の広告「通話料0円」
 4 新生銀行
    ――「パワード定期プラス」のチラシ広告
 5 日立製作所
    ――冷蔵庫の環境偽装表示
 6 貸金業界
第3章 死亡、食中毒、不当表示等の不祥事から奇跡の復活
 1 三菱自動車のリコール隠し事件
   1不祥事の概要
   2原因究明
   3再発防止と信頼回復への道程
   4業績の動向
 2 松下電器産業(現パナソニック)の石油温風暖房機の一酸化 炭素中毒死傷事件
   1はじめに
   2不祥事の概要――死者2名、一酸化炭素中毒8名でも消極的 な松下
    3遠因究明――違法性の有無でリコール判断、結果的に人命軽視
    4拡大防止と信頼回復への道程――本気になった社長の凄さ
 3 雪印乳業の牛乳集団食中毒事件
    1はじめに――2度の不祥事を乗り越えて
    2不祥事の概要
    3原因究明
    4再発防止と信頼回復への道程
 4 不二家の消費期限切れ牛乳の原料使用事件
    1不祥事の概要
    2原因究明
    3再発防止と信頼回復への道程――「外に開かれた会社になる」
第4章 再発防止と信頼回復への提言
 序 人間は元来弱い者(性弱説)
 1 不祥事と売上高、株価の下落
 2 なぜ不祥事が起こるのか
 3 不祥事を起こさないために何をすべきか
 4 つい、やってしまったら、どうするか
 5 消費者目線とは

→本書の「中身拝見」

はじめに

  2009年9月1日、消費者団体の長年の夢だった「消費者庁」がスタートした。キーワードは「消費者の立場」「消費者視点」である。
  消費者視点と言えば、広告業界の自主規制機関として、1974年に電通(広告会社)とともに日本広告審査機構(JARO)の創設に奔走し、自ら初代の専務理事に就任して活躍された故・和田可一氏を想い出す。
 「日立の3奇人」の一人と言われた故・和田可一氏は、旧日立家電の宣伝部長時代に、若い宣伝部員たちに毎日のように叱咤激励していた。
 「日立の製品について、事業部や工場の言うなりになるな。いついかなる時も、消費者の立場から視て考えて行動しろ。君たちはそのために日立から給料をもらっているんだ」
その日立が、2009年4月20日、冷蔵庫の環境偽装表示で公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)の排除命令を受けた。今、社員の意識改革と信頼回復へ向かって苦闘を続けている。
  ソフトバンクモバイルの「通話料0円」の広告が、公正取引委員会から景品表示法違反(有利誤認)の恐れありとして「警告」を受けた(2006年12月12日)。「メリットは目立つように大きく表示し、デメリットは目立たないように小さく表示する」という広告界30年来の癌ともいうべき姑息で稚拙な表現である。
  景品表示法(有利誤認)の何たるかを知らなかった孫正義社長は、その立法の趣旨を理解するや直ちに厳命した。「フェアにやれ。法律違反は駄目だ。今後、『*印広告』(デメリットを*印付きで小さく表示する)は一切禁止だ」と。その後、メリット、デメリットという感覚を排除し、消費者受益と注意事項を同じ場所に一体化して大きく表示し、消費者にとって分かりやすく親切な広告表現を実施している。
  三菱自動車工業。2000年7月、内部告発により30年間隠し続けてきた二重帳簿による「リコール隠し」が発覚した。次々と社長が引責辞任をし、信頼回復の切り札として登場した河添社長も、やっと社員の意識改革が軌道に乗り始めた04年にまたリコール隠しが発覚して、無念の引責辞任をせざるを得なかった。記者会見の席上で、思わず「残念だが“習い性”になっていた」とつぶやいた。
続いて登場したのが、歴代の三菱重工出身の社長と異なり、三菱商事時代にずっと自動車販売に携わってきた自動車ジネスのプロ、益子修氏である。「人の嫌がることはまず自分がやる」をモットーとしてきた益子社長は、「習い性」になっていた隠ぺい体質の一掃に自ら率先して取り組んできた。
  自社の車の欠陥を隠してきたために2度も起こった悲惨な死亡事故、すなわち、2002年1月横浜市の母子3人の死傷事故(ハブの欠陥)、同年10月山口県内のトラック運転手の死亡事故(クラッチ部品の欠陥)、この2度の事件を風化させないために事故が起こった「1月10日」と「10月19日」を「安全への誓いの日」として、毎年当日には社長のメッセージを聞いた後、全社員で黙祷を行っている。
  2004年6月に設立された社外の有識者だけで構成される「企業倫理委員会」が取締役会に提出した答申書によると、「その信頼回復活動がトップの揺るがぬ姿勢のもと真摯かつ着実に進捗しており、初期的段階をクリアした」と記述されており、総じて高い評価を得ている。しかし、「……今なお道半ばの段階であり、……会社の弛まざる信頼回復活動の継続は引き続き必要であり、そのことを軽視し風化させるようなことがあってはならない」との厳しい指摘も受けている。
  雪印乳業は2000年6月に大阪で牛乳による集団食中毒事件を引き起こし、被害者は13,420人まで広がった。「私は寝ていないんだ」の発言ですっかり有名になった石川哲郎社長(当時)が引責辞任した後、信頼回復への大役を担って登場した西紘平社長は社長直轄の商品安全監査室や経営諮問委員会の設置、ネスレとの業務提携、事業構造改革策の実施、企業行動憲章・指針の制定などを次々と実施し、全国消費者団体連絡会などの消費者団体からも評価されるようになっていた。
  その矢先の2002年1月23日に、子会社の雪印食品による牛肉偽装表示事件が発覚し、マスコミの集中砲火を浴びた。またまた引責辞任せざるを得なかった西紘平社長の後を受けて高野瀬忠明現社長が登場した。高野瀬社長をはじめ誰一人取締役を経験したことのない人だけで構成された新経営陣は社長、役員の陣頭指揮のもと次々と改革策を実施した。
  高野瀬社長は従来の経営多角化路線を修正し、6つの事業を縦に切って分社化し、雪印乳業本体はバター、チーズなど乳製品だけの専門会社として再出発した。2つの事件を起こした原因の根幹は体質問題だと考え、高野瀬社長は企業風土改革を主要なテーマに数々の手を打ってきた。従業員の意識もかなり変化し、事業内容も改善されて2004年3月期には黒字となり、その後、黒字体質も定着してきており、信頼回復への道程も少しずつ見えてきた。
  その鍵は、社外の視点を取り入れるために、2002年6月に社外取締役として招聘され、企業倫理委員会の委員長にも就任された日和佐信子氏(前全国消費者団体連絡会事務局長)であろう。日和佐信子氏は、
 「雪印に行って驚いたのが、『消費者という言葉が通じない』ということだった。……消費者という概念がない企業が多い。お客様(という概念)しかない。『消費者の権利に対して、企業がどう対応するかが問われている』と話すと、とても新鮮だったという反応をされて困ってしまうんですと」
とコメントされている。日和佐信子氏の「消費者重視」の考えが高野瀬社長以下経営陣に大きく影響し、以来、雪印乳業はことあるごとに「消費者重視経営」を主張している。本来、消費者は企業と対峙する概念であるが、消費者庁新時代の今こそ、「お客様」と「消費者」の概念を明確にし、他の企業も「お客様第一主義」一辺倒から脱却し、「消費者重視経営」を目指すべきであろう。
  企業は「ついうっかり」不祥事を起こし、マスコミの集中砲火を浴びて予想もしなかった社会的制裁を受けることがある。長年にわたって培ってきたブランド価値、自社に対する信頼が一瞬にして崩壊することもある。
  不祥事を起こした企業を非難することは簡単である。しかし、そのような企業が失意の底から立ち上がり、崩れたブランドをどのようにして再構築していくか、失墜した信頼をどのようにして復活再生していくか、上記の企業のほかに、エステー化学(現エステー)、新生銀行、貸金業界、不二家、松下電器産業(現パナソニック)の事例を紹介することにより、少しでも企業各位の参考になれば幸いである。
  なお、各事例の記述には、各種の先行図書や論文、寄稿文、さらに各社の社内に設置された企業倫理委員会(三菱自動車)や信頼回復対策会議(不二家)などの報告書、さらに、各社のCSR報告書やホームページに公表されている諸資料などを参考にさせていただいた。説明責任、透明性などが重視される折から、各社の公表資料は詳細かつ明確で理解しやすかった。この場を借りて深くお礼を申し上げたい。
  不祥事を起こした企業は「できれば、そっとしておいて欲しい」という気持ちが強いであろう。にもかかわらず、多くの企業が取材に応じてくださり、貴重な情報、資料まで提供していただいた。心から謝意を表したい(残念ながら、日立には取材を拒否されたが、後ほど本編で詳しく説明する)。
  最後に、私事で恐縮だが、冒頭の故・和田可一氏は日立家電宣伝部時代の上司であり、連日、「消費者の立場から、視て考えて行動する」大切さを教えられた。この貴重なDNAは私の体内にも脈々と宿っており、本書の執筆がご恩返しの一つになれば願ってもない喜びである。

→書評

梁瀬和男著『企業不祥事と奇跡の信頼回復』が「企業リスク」2010年7月号(トーマツ企業リスク究所)の「お勧めの1冊」に掲載されました。

梁瀬和男著『企業不祥事と奇跡の信頼回復』が「日経広告研究所報」2010年April/May号(日経広告研究所)の「BOOK REVIEW」に掲載されました。

梁瀬和男著『企業不祥事と奇跡の信頼回復』が「JAA」2010年3月号(日本アドバタイザーズ協会)の「新刊ご案内」に掲載されました。

梁瀬和男著『企業不祥事と奇跡の信頼回復』が「レポートJARO」2010年2月号(日本広告審査機構)の「新刊紹介」に掲載されました。

梁瀬和男著『企業不祥事と奇跡の信頼回復』が「BtoB」2010年2月号(日本産業広告協会)の「新刊紹介」に掲載されました。

→著者の情報

慶応義塾大学卒業後、日立家電、日立製作所の宣伝部、愛知学泉大学教授を等を経て、現在、金城学院大学講師。

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