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南地中海の新星 リビア

高まる日本への期待

著者名 小池百合子 畑中美樹 著
判型 四六判
頁数 240
定価 1,890円
(本体1,800円+税)
ISBN 9784496045516
第1刷 2009年07月05日
数量:

→この本の内容

リビアにはビジネスチャンスが多数ある。欧州各国をはじめ、リビアを敵視していたアメリカまでもが首脳外交を活発化させている。もはやG8の首脳で訪問していないのは日本だけになってしまった。
新しい国づくりに燃えるカダフィが目指すものは何か。
リビアの「魅力」と「ビジネスチャンス」を探った。

→この本の目次

第1章 ユニークな最高指導者カダフィ大佐  
  1 ファッション・センス抜群のカダフィ大佐
  2 イタリア支配を経て誕生したリビア王国
  3 無血の「9月革命」
  4「人民主権」の直接民主主義国家
  5 開催された「人民主権確立宣言」30周年記念式典
  6 国連制裁の発動と停止
  7 大量破壊兵器開発の放棄
  8 90年代初以降の「政治改革」と03年以降の「経済改革」
  9 衛星テレビ会議に登場したカダフィ大佐

第2章 動きはじめた経済開発
  1 米国人顧問もいる経済改革チーム
  2 西側専門家による経済改革の処方箋
  3 性急な改革を批判する守旧派
  4 次々と明らかにされる大型開発事業
  5 活発化する保有資産の海外運用
  6 進みはじめた銀行の近代化
  7 民営化に立ち塞がる失業問題

第3章 外国企業に開放された石油鉱区
  1 アフリカ大陸ナンバー1の石油埋蔵量
  2 米国企業が大半を獲得した第1回入札
  3 各国の関心は増進回収事業
  4 外国企業に求める小規模油田開発
  5 求められる社会的貢献
  6 過熱化する権益獲得を目指した諸外国の動き
  7 組織化された意思決定過程
  8 見直される既存契約内容
  9 順調な既存契約の条件改定
  10 上流部門:当面国内の石油生産量の拡大に注力
  11 下流部門:製油所近代化事業の枠組協定を締結
  12 石化部門:ダウ・ケミカルと石油化学合弁事業を締結
  13 代替エネルギー部門:次世代太陽電池を本格開発へ

第4章 知られざる遺跡の宝庫
  1 三都物語
  2「ローマの穀倉」サブラータ
  3 アフリカ屈指のローマ都市遺跡レプティス・マグナ
  4「砂漠の真珠」/ガダーメス旧市街
  5 エコ・ツーリズムで図るイメージ・チェンジ

第5章 脱却した国際的孤立
  1 リビアとの関係改善を決めた米国
  2 首脳外交を積極展開する欧州諸国
  3 ようやく完全正常化を果たした米国
  4 米国へのけん制でロシアに接近
  5 不法移民問題で合意したイタリア
  6 突然悪化したスイスとの関係

第6章 試行錯誤の続く政治改革
  1 各種改革案を訴えてきたサイフ・カダフィ国際開発基金総裁
  2 開催された憲法制定委員会
  3 石油収入の国民還元を提案したカダフィ大佐

第7章 期待される日本の役割
  1「改革」「開放」と「平等」「公正」「弱者保護」
  2 お手本になる日本の経験
  3 日本企業の有望産業分野
  4 トップ・セールスの欧米主要国
  5 革命記念の式典に招待出席した日本リビア友好協会
  6 2国関係の強化・深化に一定の役割を果たす友好協会

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→本書の「中身拝見」

  ローマ遺跡と古代壁画。地中海産の魚介類とイタリア風のパスタ。昔日の面影を残す旧市街(スーク)と夕刻の交通渋滞がひときわ目立つ新ショッピング・ストリート。イスラム寺院(モスク)から流れるお祈りを呼びかける声とピカピカの新車から流れる西洋音楽。どれも現在のリビアを表す顔である。
  ところで、日本でのリビアのイメージといえば、カダフィ大佐の君臨する何だか怖そうな国家というところだろうか。確かに、革命(1969年)から40年を経たリビアは、独自の理念を掲げ、国民のための国家を目指して試行錯誤を繰り返してきた。
  その過程で米国と対立するなど、こわもてイメージがつきまとったのだから、そうした見方になっても仕方がないのかもしれない。ましてや、わが国にはリビアのニュースなど、まったくといっていいほど伝わってこない国なのだから。
  ところで、1980年代にリビアの通信網を整備したのが日本電気(NEC)であったことはご存知だろうか?
  では、首都トリポリから車で1時間ほどの地に立つミスラタ製鉄所が、神戸製鋼によって建設されたものであるのは知っておられるであろうか? 実は、この製鉄所は今でもリビアのご自慢の1つになっている。
  本書でも登場するシャトワン前・電力エネルギー大臣は、若い時に日本政府の招待を受け日本で研修した経験を持つ。固有の文化・伝統の残る日本、礼節を重んじ勤労意欲に溢れた日本人の印象がよほど強かったのだろう、いまだにジャパン・サポーターを自任している。

  ローマから飛行時間、わずか1時間半。地中海越しにイタリアと向き合うリビアは、今、新たな国づくりに燃えている。石油・天然ガスの生産・輸出への依存から脱却し、これらの資源を有効活用した石油化学産業の振興や観光資源、フリーゾーンを生かした新たな産業の育成も目指している。
同時に、太陽光・風力などの代替エネルギーの開発や省エネ・環境対策、さらには自国の将来を担う若いリビア人の研修・訓練にも力を入れはじめている。
  この点、焦土と化した第2次世界大戦後から復興した経験・ノウハウ知識・をもち、先端技術を開発し、教育熱心で研修・訓練に優れた日本には秘かに期待するところがある。後は日本、そして日本のビジネス界がリビアに関心を持ち、顔を向けるか否かである。
本書が変わり行くリビアの正しい姿の理解に少しでも役立ち、両国・両国民の関係の強化・深化に貢献できれば、著者としては望外の幸せである。

→著者の情報

小池百合子
1976年カイロ大学社会学科卒業。
アラビア語通訳を務め「ワールド・ビジネスサテライト」などでキャスターとして活躍。
1992年、政界に転身し、現在まで参議院議員1期、衆議院議員5期連続当選。
2003年9月環境大臣就任に加え、翌年内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)を兼任。元内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)。2003年7月には女性初の防衛大臣を務める。

畑中 美樹
1974年慶応義塾大学卒業後、富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所を経て、現在、(財)国際開発センターエネルギー・環境室顧問。中東や北アフリカ諸国のオオ族、政治家、政府関係者、ビジネスマンに知己が多く、中東全域に豊富な人的ネットワークを有する。

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