元防衛大臣・衆議院議員・小池百合子氏推薦 「遠い遠い中東が日本の救世主に。高まる技術先進国への期待と広がるビジネスチャンス」 アラブ湾岸諸国進出の絶好機! ■金融危機の中にあって、ドバイをはじめとしたアラブ湾岸諸国の落ち込みは小さく、依然として豊富な資金を保有しており、さらに新たな市場開発の着手に迫られている。 ■今こそ閉塞感にあえぐ日本の中堅・中小企業、地方企業が、アラブ湾岸諸国で新しいビジネを展開するチャンスでもある。
第1章 不動産ブームは終焉した? 第2章 2度目のオイルブーム 第3章 中東のハブ都市を目指すドバイ 第4章 ドバイを追撃する周辺諸国 第5章 今後有望な「かきくけこ」産業 第6章 顕在化する脱石油・ガスの動き 第7章 噴出する開発ブームの歪み 第8章 GCCが世界経済で果たす役割
今、中東、特に湾岸ビジネスがおもしろい。こう言うと、賢明な読者諸氏は、怪訝な顔をするに違いない。だが、実際に湾岸には多くのビジネス・チャンスが眠っている。 筆者は、中東、そして湾岸諸国が時間の経過と共に「普通の国」になりつつあると感じているし、これからますます普通の国になると考えている。しかし、イスラム教の壁があるし、砂漠で酷暑の地、しかも紛争やテロが絶えないので、ビジネスには不向きな地域と考えているからかもしれない。 世界で一番イスラム教徒の多い国はインドネシアで、次がインドであることはご存知だろうか。日本企業も数多く出ているマレーシアもイスラム国家だ。宗教のことは、その道の専門家に譲るとしても、イスラム国家の治安がとても良いことや、元来、イスラム教が弱者を思いやる宗教であることは言っておきたい。 サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの6カ国で構成される湾岸協力会議(GCC)諸国では、大半の地域が砂漠で酷暑であるのは確かだが、サウジアラビアの南西部には山岳地帯もあるし、オマーンには緑の豊かな地方もある。シリア、イランやイラクにも山があるし、どの国も冬場には結構寒くなる。2008年1月初めには、サウジアラビアの首都リヤドにも雪が降った。 紛争やテロについて言えば、起きているのは特定の地域や特定の国家である。日本でもオウム真理教によるテロが起きているし、米国や欧州主要国でも同じだ、最近はインドでも起きている。要は、「先入観」と「パーセプション」(認識)の問題なのではないだろうか。 話が横道にそれたが、中東・GCC諸国は、普通の国になるための努力をはじめた。各国が考えているのは、石油・ガス以外の産業の振興である。製造業が望ましいが、無理ならばサービス産業を考えている。 「ヒト」を呼んで、「カネ」を集めて、可能であれば「モノ」をつくり、難しければ、「モノ」の流れの中に自国をしっかりと位置づける。ただし、自分達だけではできないので、外国に頼ろうとしている。 機を見るに敏な欧米諸国は、中東・GCC諸国の思いを先取りし、「トップダウン」の「押し売りセールス」で、すでに喰い込んでいる。他方、失われた10年の間に、アンテナの感度のすっかり鈍った日本は遅れをとった。しかも、日本は「ボトムアップ」の「ご用聞きスタイル」であり、何ごとも東京本社の決裁待ちのため時間がかかる。 余談になるが、アラブの友人が言っていた。「日本人は、アラブ人が時間にルーズと言うが、日本人の方がよほど時間感覚がない」「1週間で返事が欲しいのに、3ヵ月、6ヶ月、時には1年も待たされる」と。 でも、心配ご無用。時は、日本に味方しつつある。9・11同時多発テロ事件以降、アフガニスタン戦争、イラク戦争と続くなかで、欧米、特に中東での米国の人気・評判が急降下しているのに対して、技術力があり、アフター・サービスの完璧な日本の評価は上がっている。 あとは、日本、そして日本企業、日本ビジネスマンが、一度、頭の中をリセットして、中東のビジネス・チャンスを見直せるか否かである。幸いにして、ここ1〜2年、これまで中東など仕事相手として考えもしなかった中堅・中小企業や地方企業の中東への関心が高まっており、中東視察も盛んである。筆者は、この新たなトレンドに期待している。 本書は、中東のなかでも、湾岸のGCC6カ国に焦点を当て、最近の経済状況や開発動向などを見るとともに、今後、有望と思われる産業について言及してみた。本書が日本人の、そして日本人ビジネスマン諸氏の中東ビジネス観の形成に、少しでもお役に立てれば筆者としては望外の幸せである。 2009年2月 畑中 美樹
慶応義塾大学経済学部卒業後、富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センターを経て、現在、株式会社ジェイ・エル・エナジー常務理事。中東や北アフリカ諸国の王族、政治家、政府関係者、ビジネスマンに知己が多く、中東全域に豊富な人的ネットワークを有する。 主な著書:『オイルマネー』(講談社)、『石油地政学』(中公新書ラクレ)ほか。
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