|
|
 |
「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)のすべて
|
| 著者名 |
赤柴垣人 著 |
| 判型 |
A5 |
| 頁数 |
152 |
| 定価 |
1,890円 (本体1,800円+税) |
| ISBN |
9784496040146 |
| 第1刷 |
2005年07月27日 |
|
|
この本の内容
■SASのカリスマが書き下ろした決定版■
睡眠時間を十分とっているはずなのに、なぜか日中に「耐え難い異常な眠気」が襲ってくる……。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの発症にも関連し、居眠りによる交通事故をはじめ災害事故など、社会的に大きな影響を及ぼす可能性が高い。すぐに生命を失ってもおかしくない危険性を伴うSASのメカニズムと治療をやさしく解説。
|
この本の目次
第1章 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
■正常の睡眠とは
■睡眠中の呼吸・循環はどうなっているのか
■SASはどうして起こるのか
第2章 睡眠時無呼吸症候群(SAS)が及ぼす身体への影響
■呼吸が止まるとどうなるのか
■心不全を呈した重症SAS例(ピックウィック症候群)の場合
■高血圧がなかなかよくならなかった58歳のRさんの場合
■SASは、他の循環系疾患とも直接関連する
第3章 睡眠時無呼吸症候群(SAS)が及ぼす社会への影響
■SAS患者は、良質な睡眠をとることができない
■SAS患者は交通事故を起こす確率が高い
■SASと交通事故の関係が裁判になった事例
■職業的ドライバーに対するSAS検診の必要性
■SASは、働き盛りの壮年〜中年の男性を襲う
■大きな弁護士事務所の所長、Sさんの場合
■著名な建築デザイナー、Yさんの場合
■どうしても病気を認めず、治療も拒否したSさんの場合
■治療が間に合わなかったAさんの場合
■睡眠障害が社会に及ぼす影響
第4章 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断
■SASの診断には睡眠検査(ポリソムノグラフィー)が必須
■睡眠障害の判定には、脳波測定が、どうしても必要
■SAS診断における論争――PSGか簡易モニターか
■簡易睡眠モニターとは
■日本で最初に開発された簡易睡眠モニター(アプノモニター)
■パルスオキシメーターによるSAS診断(スクリーニング)
第5章 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療
■治療の対象となるのは、どんな患者さんか
■原因が明らかなSASの場合は、完治可能
■軽症例では、まず生活習慣を改善させる
■SASに手術は有効か
■鼻が悪い人は、鼻の手術だけでも、鼾・無呼吸が改善
■最近登場してきた口腔内装置(マウスピース)
■SAS治療の主役はNCPAP
■NCPAPは、日中の過眠を劇的に改善する
■NCPAPは、高血圧を改善する
■NCPAPは、SAS患者さんの死亡率を低下させる
■NCPAP治療を継続させるためには(含む、副作用)
■NCPAPは健康保険が適用される
■Auto-CPAPの登場と、NCPAP治療の未来
■心不全に対するNCPAPの効果(新しい効用)
■NCPAPは、呼吸管理に新しい革命をもたらした
|
本書の「中身拝見」
はじめに
「睡眠時無呼吸症候群」(sleep apnea syndrome;SAS)という言葉をご存じでしょうか。2003年2月26日に、山陽新幹線の運転手が運転中に寝込んでしまい、駅の停車位置を間違えた事件がありました。この運転手がSASであることがわかり、大騒ぎになりました。
当時、SAS研究者が各マスコミで引っぱりだことなり、私もいくつかのマスコミから取材を受けました。その後、私の病院に外来患者さんが殺到し、他科の医師から、やっかみ半分でSAS特需などと冷やかされましたが、20年前からこの病気に取り組んでいた私にとっては感慨深いものがありました。
あれから2年が過ぎ、あの熱狂が冷めた今こそ、SASというものが、いかに健康を損なうかについて、冷静に論議すべきであると思っています。
実を言いますと、あの時期においても私は比較的冷静で、いつかはこの熱狂も冷めるだろう、長いか短いかの違いだけだ、と考えていました。というのも、過去に何度もこれに近い経験をしたことがあったからです。
SASの一番大きな特徴は、ひどい鼾かきがかかる病気ということです。鼾というのは、比較的、一般受けする題材なのでしょうか、以前にも何回か取材を受けたことがあります。
もう10年以上前になりますが、「ニュースステーション」という番組に出演したことがあります。この番組は視聴率が高かったため、放送の翌日から患者さんが私の外来に押し寄せてきて、新患数が毎日30人ということがありました。しかし、3か月もすると落ち着いてくる、しばらくして、また新聞や週刊誌に記事が載ると、少し患者が増えるという繰り返しでした。山陽新幹線の事件の衝撃度は、それまでに比べるとはるかに大きく、半年以上は続いたでしょうか。
私はSASという病気は決して、ただ昼間眠くなるだけの病気ではないと考えています。たしかに日中の耐え難い異常な眠気は、この病気のもう1つの大きな特徴で、社会に与えた影響は大きかったのは事実です。
しかし、患者さん自身について言えば、無呼吸の状態は、直接的に生命を脅かす状態で、すぐに生命を失ってもおかしくない危険性を伴っています。生きるために絶対に必要である酸素を得ることができない状態だからです。私は、ずっと呼吸の生理学を勉強してきましたから、生命の維持に酸素がどれほど重要であるかが、よくわかっていました。
患者さんによっては、寝ている時に、1〜2分も呼吸が止まる方もいるのです。こんな状態では健康を損なわないはずがありません。しかも最近、SASが、高血圧、心筋梗塞、脳硬塞、糖尿病などの発症に直接的に関連することがわかってきました。まさに、SASは21世紀の国民病といえるでしょう。
2005年7月
赤柴 恒人
|
著者の情報
1975年、日本大学医学部卒業。米国ワシントン大学付属ハーバービュー医療センター留学後、日本大学医学部付属板橋病院呼吸器機能室室長、国立立川病院呼吸器科医長などを経て、現在、日本大学医学部付属板橋病院呼吸器科部長、日本大学医学部呼吸器内科助教授。
|
|
|
|
 |

|